絹(SILK)について

素材について

ん?なんで単独?と思った方も多いと思いますが、

絹は植物繊維ではなく、獣毛でもない。不思議な動物性フィラメント繊維なんです。

カイコガという家畜から採取される繊維です。

蚕の事は私はかなり詳しいです。

(息子が卵を貰ってきて、100匹くらいスタートで人に譲りながら飼い、3回累代飼育しました)

とても可愛い家畜なので、ぜひ飼うのをお勧めします。

家で高級素材「絹」を作れます!

最初は2~3m/mの芋虫なのが、眠(「ミン」という動かない時間があります)と

脱皮を繰り返しながら第6令になるまでに1万倍に成長(およそ大人の中指くらいの大きさ)

口から糸を吐き出したら繭を作り出すので個室に移動(半分に切った500mlペットボトルでOK)

一晩くらいでほぼ繭が完成します。

1週間は放置厳守。(中の芋虫がさなぎになる時間があるので)

1週間過ぎたところで個室から繭をやさしく取り外してあげて、

繭の上側をスライスすると中で脱皮した皮とさなぎが見えます。

優しくさなぎを出してあげて、オスメスを仕分けて同性同士の虫かごに

仕切りをつけて入れてあげます。デリケートなのであまり触らないようにやさしく。。。

(この時、繭作成の日にちをメモしておくと便利です。順番に早い順に還ります。)

さなぎから脱皮の際に蛾尿という茶色い尿をします。

(これが繭にかかると繭が茶色く染まってしまうので繭から先に出します)

成虫になったカイコガは白くて2㎝くらいの体長でフワフワしていて

ウサギみたいでとても可愛いです。思わず指に乗せてしまう可愛さです。

本体はおよそ2cm。指にやさしくそっと捕まるカイコ様。

この子達がまたすごくて、オスはメスを、メスはオスを探して羽ばたきます(飛べません)

どうやら蛾尿にホルモンが入っているのか、別箱で還ったメスのにおいに気が付いたオスが

大脱走してメスの箱を探すというめっちゃ肉食系男子。

しかも一回交尾すると割と一途な個体も多いです。

そして交尾したメスは割愛(長時間交尾していると体力すごく使うからひき離す)

された後、産卵。1回に200~400個の卵を産みます。

そして飲まず食わずで10日くらいで天国へ。。。

私はこんなに献身的で小さく可愛く便利(というと厳しいが)で

実りの多い家畜を知りません。

可愛くて「虫」の概念が覆る!!!

成虫になってからは食べないので餌代がかからない!

そして高級素材の絹が取れる!!

あ、絹の取り方を記載していませんでしたね。

カイコガを孵したくて上の方をCUTした繭(さなぎは取り出し済み)

茹でます。

10分くらいかな。

熱いまま糸繰りする人も多いかと思いますが、私はぬるくなってからでも良いと思います。

歯ブラシで茹でた繭をちょいちょいと引っ掻くと、3~7本位のキラキラの繊維が付いてきます。

芋虫さんが吐いた糸はフィブロインという繊維の芯の周りに、

セリシンというペタペタな成分がコーティングされている状態です。

(ちなみにセリシンは美肌効果があります。)

そのセリシンが熱湯で溶けてフィブロインだけを採取する、という原理です。

実際は少しセリシンが残ります。なので大きな糸巻きロールを牛乳パックなどでつくり、

巻き取って乾かすとパリパリ、少しペタペタします。

再度そこから糸巻きのように巻き取ります。

糸が乾くとちぎれやすくなるので、半渇きな状態で巻き取りするのもおすすめです。

★私は沢山の繭が取れすぎて考えました。楽に糸採取できる方法を…★

ZIPロックに水を入れ、その中に茹でた繭を2~3個浸す。

1つの繭を取り出し、濡れたまま繭の上部のCUTした部分を小さくつまんで引き出す

茹でた後なのでセリシンは大体溶けている状態で、

水なのでやけどの心配もなく

通勤中に糸を引き出しながら小さく切った牛乳パックの糸巻きに巻き付けていき、

糸採取していました。

ちょっとした空白時間にさっとできる便利な方法なので是非試してみてください。

芋虫さんが吐きだした糸はもともと1本の糸でできています。

繊維長が死ぬほど長いです。そして強度もある。

色は白、緑、黄、金なんて繭もあります。

光沢があり、フワフワしていてほぐせば柔らかく、

集めれば強いシャリ感のある糸です。

(断面図が三角なので光の反射もしやすい)

シルクロードが出来るだけの事はある、とてもきれいな繊維です。

ペット飼いたいな。。。という方は変化球でカイコはいかがでしょうか?

卵は紙に産み付けられる事が多いので持ち運びも便利。

貿易にももってこいなのが判ります。

シルクロードに思いをはせながら、カイコ様を飼育・・・。

おすすめです。

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