意匠糸について

ゲージについて

糸の種類は沢山あり、それぞれに特徴と個性があります。

糸にあった編みゲージを選定してあげるのもニットデザインの仕事の一つです。

糸がどうなりたがっているかをよく読み解いてあげてください

梳毛糸はあまり問題ないのですが

タムタム糸(毛羽が多く出ている糸)やモール糸、SLUB糸やネップ糸など

意匠糸になればなるほどゲージ選定が難しくなります。

大きく抑えておく点は3つ

意匠糸の撚糸に特徴のあるものは一番太い部分の太さを見抜く

SLUB糸など撚りの回転数に強弱付けている糸やループヤーン/カールヤーン/ネップ/ノットなど

均一ではない糸になると、

どうしても編み機にかかりにくくなります。

また、糸が編み機にかかっても一番太い部分が編める機械に合わせないといけなくなるので

結果、細い糸の部分の密度が薄くなりがちです。

糸の撚りの回転数に強弱付けている糸やループ糸は

なるべくローゲージか手編みの度詰めが望ましいです。

色のアクセントとして使用する場合は梳毛糸等を引き揃えて使用すると見やすくなります。

毛足が出る糸は芯の糸の太さを見抜く

毛足の出る糸は編む時には毛足が出ていない状態になります。なので意外と細い番手のものが多い

(1/13だとか1/16だとかがよくある糸番手になります。)

こちらは糸の番手を信じて適正番手を計算して編み機選定しましょう。

タムタム系糸は芯糸という中央部分と、毛羽を絡めて巻いている糸を合わせている状態がほとんどで、

芯糸と毛羽の糸を合わせていても双糸にはなっていないです。

また、編立後に毛羽を掻き出したり加工したりするので

仕上がりのふさふさ感がどのくらい欲しいか、着用時の厚みはどのくらいが良いか、という

イメージを大事にしましょう。

羽毛紗/公分紗/モール/モヘヤ/アンゴラなども同様にふさふさ感や仕上がりを重視して選定しましょう。

フィラメント糸/テープ糸など均一糸

ラメを入れるなどの場合、肌に当たる部分の不快感が注視されます。

テープヤーンは清涼感がありますが、糸の硬さがまだまだ改善段階ではあるかと思います。

フィラメント糸はどんどん良くなってきてはいますが、ラメの場合はアレルギーなどの懸念もあるので

表目プレーティングが基本おすすめになります。

(安定性の高い糸と一緒に合わせて編む時に、表側にラメ糸が来るように糸調節をして編む)

全体的に柔らかく細いラメを入れ込む場合は

柔らかい糸との撚糸をする事もありますが、

首の内側や袖口裏側など

肌に直接当たる部分にはプレーディングで天然素材を内側に編み込んだり

リンキング糸には同色天然素材糸ゾッキ(無地)を使用してもらったりするのがおすすめです。

余談ですが・・・

今回は意匠糸について記載しましたが、こんな言葉もニット業界にはあります。

「糸美人」

糸で見るととても可愛くきれいで魅力的に見えるのだが、

編立ててニット商品にするとあんまりかわいくなくなってしまう糸の事。

これは着るにはちょっと・・・みたいなものになぜかなってしまう糸の事を言います。

個性の時代なのでそれぞれニーズに合えば良いと私は思います。

ただ、どうしても量産としてのニーズには合わない糸というのも意外とあります。

色々な糸に出会ってみてくださいね。

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